ラクトコーダはスイスのWMB社が開発した電子ミルクメーターです。携帯型なので多くは世界各国での牛群検定事業で使用されています。
製品の特長
携帯型のラクトコーダには、様々な機能が備えられています。本体の重量はわずか2.2kgなので、片手で充分持つことができます。
取得できるデータ
全ての計測において、流速カーブをグラフ化するための詳細な泌乳速度の情報が記録されます。泌乳状態を細かく分析するためのパラメータは、合計60項目以上に及びます。
同時に、乳に混在する泡の量が空気の含有率として計測されます。さらには、乳の電気伝導度、乳の温度などの情報も計測されます。(旧タイプのみ)
ラクトコーダは、単に乳量のみを計測するだけではなく、乳牛の健康状態や繁殖に必要な情報を同時に計測することができ、これらの情報を獲得することにより、より付加価値の高い精液や受精卵を作出することが可能になるものと考えます。
本体に装備されている機能
バックライト付の表示画面には英数カタカナ20文字×4行を表示させることができます。画面の下方のキーボードによって、個体番号の入力 や測定操作をおこないます。操作は簡単で、搾乳作業の妨げになる心配はありません。
真空ロスが少なく、搾乳環境を変動させることなく計測できます。(ハイラインの場合でもISO規格で定義している許容値の36%程度のロスしかありません)
付属のサンプリングユニットにより自動的に乳のサンプルを専用サンプルボトル(約50cc)に取得します。サンプルの採取量は、個体別に 期待乳量を登録することで、流速に応じてサンプル採取のバルブが自動的に制御されておこなわれます。各個体の期待乳量はパソコンより事前 に登録することができます。
付属のサンプリングユニットにより自動的に乳のサンプルを専用サンプルボトル(約50cc)に取得します。サンプルの採取量は、個体別に 期待乳量を登録することで、流速に応じてサンプル採取のバルブが自動的に制御されておこなわれます。各個体の期待乳量はパソコンより事前 に登録することができます。
ボトル番号や個体番号を読み取るためのトランスポンダリーダーが内蔵されています。ボトルのID管理により、ボトルを無作為に使用・保管す ることができます。
ラクトコーダ本体のメモリには、検定に必要な情報(農家コード、農家名、朝/晩、サンプリングの有無)を事前登録することができます。各 個体の測定データ(流速カーブ、搾乳開始時刻、ボトルID、操作中のエラー)が記録されます。本体が許容できるデータは約200回分です。
測定中に新規個体を追加登録することも可能です。
本体にはプロセッサが組み込まれており、バッテリー残量、システム稼動が可能な残り時間を計算することができます。これは、大切なデータを 扱う上で極めて重要な機能です。バッテリーの充電には急速充電器が使用され、30分の充電で約2時間使用することが可能です。バッテリーの寿 命を長持ちさせるためのメンテナンス用の充電機能は、2週間ごとに自動的に選択されます。
ドッキングステーションは、データパックでデータの転送をおこなう他、バッテリーの充電など、用途に応じて使い分けられるマルチファン クションになっています。牛体のトランスポンダ読取装置や、自動離脱装置作動のための外部シグナル出力のオプションにも使用されます。
本体の洗浄メカニズムは特許を取得しており、より効果的な乱流を作り出すことができます。
本体の背面に装備されているクイックロック機構により、すばやく本体を分解して、ゴミや乳のブツなどを取り除くことができます。搾乳を中断させないための配慮です。
データ保存メモリ媒体
データを保管するためのメディアには、オプトカプラが使用されています。データ通信は赤外線通信が使用され、牛舎の過酷な使用条件におい てもデータを安全に転送・保管することができます。このメディアはデータパックと呼ばれ、バッテリーなしでデータを保管できます。128kB と512kBの2種類を用意し、前者は約150回の搾乳、後者は約670回の搾乳データを保管することができます。
ドッキングステーションにテレパックを装備して、検定員はコマンダーにより、本体の操作を離れた場所からリモートコントロールすることが できます。このオプション機能は、よりすばやい作業を必要とする山羊の搾乳での検定に使用されます。最大400頭のデータを測定できます。
合理的で信頼度の高い牛群検定の実現
ラクトコーダはA法の牛群検定で使用されることに基づいた設計になっていますが、A法の場合だけではなく、AT法またはB法を取り混ぜたATM法の牛群検定にも適用することができます。
以下に牛群検定でラクトコーダを導入した場合に優位と考える点をあげます。
- 誰でも簡単におこなえるシンプルなメニュー操作です。
- サンプルボトルへ直接サンプルを採取できます。トランスポンダ読込によるボトルのID管理も可能です。
- 検定を開始する前に、事前に用意した群の操作データをラクトコーダ本体に読み込ませることができます。これにより、個体番号の入力ミスや期待乳量入力の手間を省くことができます。本体の内蔵時計の時刻合わせ機能も備えており、より正確な検定を求める工夫もなされています。
- ラクトコーダ本体をデータ記録が可能なコンピュータとして扱えます。
- データパックによるシンプルで安全なデータ管理。
- ラクトコーダはドイツ、ババリア州のDHIAの協力のもと、ミュンヘン工科大学のHabil博士やH.Worstorff氏などの学会チームにより、のべ3年にわたる研究の成果をもとに開発させたミルクメータです。乳検の効率化に貢献できるミルクメータの開発をテーマとして取り組んできた研究の集大成により出来上がった製品です。
- ICARの認定取得済
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