ラクトコーダについて

ラクトコーダT-Tの開発の経緯

ラクトコーダT-Tの販売開始と同時に、従来のラクトコーダは製造中止となりました。ただし、ラクトコーダとラクトコーダT-Tは同じソフトウェアを利用できるので、従来のラクトコーダユーザーの方もラクトコーダT-Tを混在させて使用ができるよう、躊躇することなく追加導入できる装置です。このページではラクトコーダT-Tの開発の経緯を説明します。

開発のきっかけ

フランスのロックフォール周辺では羊の飼養が盛んです。2008年頃、羊の搾乳における牛群検定でラクトコーダの導入が検討されました。ところが、羊の乳成分はタンパク質と脂肪が高く、泡の測定が困難で正確な流速を計測できないことが発覚しました。さらに羊の乳量は2.5kg~5kgと極めて低く、誤差が大きいとまともな能力判定はできません。そして羊の搾乳はとても忙しく、搾乳作業は牛と比べボタン操作を行う余裕がありません。つまり、ラクトコーダT-Tの開発のきっかけは羊の乳量記録に適応させることを目的として開発が開始されたのです。

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開発コンセプト

開発のコンセプトと第1のテーマとして、従来のユーザーが既存装置の新型装置を混在させても支障なく継続利用できる装置とすることです。それには以下の点を踏まえた開発が要求されました。

      • 従来のラクトコーダと同じ精度の流速測定ができること
      • 従来と同じく真空ロスが少ないこと
      • 従来と同じソフトウェア(ラクトプロ)を使用できること
      • 従来と同じサンプルボトルが使用できること
      • LC/LCTTの測定データが混在しても支障なくデータを管理できること

さらに、羊の乳量測定のために新たな製品性能が要求されました。

      • 極めて少ない流速も誤差なく測定できる
      • 新たな測定項目として真空圧を追加
      • 無線モジュールによるコマンダによる遠隔操作
      • ヒューマンエラーを極力減らすための操作の簡略化
      • 流速0.6kg/分以下の流速でも最小単位2g/分で流速を測定

本体のメカニズム

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ラクトコーダT-T本体は以下の部位で構成されます。

      • 泡を除去するためのインレットヘッド
      • サンプラー装置を装備したハイドロリックボディ
      • 圧力測定チューブ
      • ステップモーター内蔵の排出ボディ

オリフィスディスクシステム

  • 合計8つの位置にディスクを回転させる機構(7つの異なる面積のオリフィス+洗浄のために閉じる状態)
  • ステッピングモーター(=>スライド接点がないので摩耗する心配はありません)
  • 耐久テスト=> メンテナンスは10年後にモーターベアリングに2滴のオイル給油
disk system
ステップモーターとオリフィスディスク
outlet body
アウトレットボディの構造

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