ラクトコーダ本体

操作方法

各部のなまえ

names equipment

搾乳プラントへの設置

ラクトコーダを搾乳装置のクラスタとミルクラインの間に接続します。通常の場合、クラスタ側のミルクホースはプラントで使用中のものをそのまま利用し、ミルクライン側のホースは別途用意する必要があります。ミルキングパーラなど低真空圧設定のローラインに設置する場合は、なるべく低い位置に設置します。自動離脱装置などのための流速検知センサーが装備されている場合は、その手前(クラスタ側)に設置してください。

クラスタ側のミルクホースをミルクインニップル(10)に接続します。ラクトコーダ本体に、上向きの矢印が記されています。この向きが牛乳の流れる方向になります。ミルクライン側のホースはラクトコーダの正面方向に向いているミルクアウトニップル(13)に接続します。 フック(15)を利用し、LCをラインなどに吊り下げます。牛がLCに触る恐れがある場合は、ロック装置の安全ピンでLCの落下を防止してください。

info NOTE ラクトコーダはなるべく垂直になるように設置してください。傾きセンサーが大きな傾きを察知すると、警報を発し測定を中断します。許容できる傾きは14度以下です。

ラクトコーダの設置方法は、搾乳プラントの種類や構造によって様々です。各プラントの仕様に合わせたホースを用意する必要があります。また、吊り下げが困難な場合は、特注ブラケットとフック裏面の取り付けボルトを利用して設置しなければいけないというケースも考えられます。

info NOTE ラクトコーダの真空ロスは比較的小さくなるように設計されています。(ISO標準のミルクメータ真空ロスの36%)しかしながら、ラクトコーダ以外のミルクメータを設置しているプラントでは、固定のミルクメータの接続をはずしラクトコーダのみを使用してください。さもないと大きな真空ロスが生じ、普段と同様の搾乳をおこなうことができなくなるだけではなく、正確な流速を計測できない恐れがあります。

搾乳プラントへの設置

ラクトコーダの操作は、操作パネルの数字キーとファンクションキーによっておこないます。操作中は画面ごとに、ボタンの機能が表示されます。

ファンクションキー

以下の操作パネル下部に配置されたボタンをファンクションキーと呼び、各ボタンはそれぞれ以下のような機能を持ちます。

キー機能表示
onoffラクトコーダの電源ON/OFF 電源のOFFはメインメニューの場合のみ有効です。LCは何も操作しない状態が45m分間続くと自動的に電源が切れます。  
fncディスプレイのバックライトON 30秒間何も操作しない状態が続くとバックライトは切れます。 次項目に進む サンプリング期待乳量の変更
enter確定ボタン、次へ、続ける等<E>
clearキャンセル 前項目に戻る 入力数字の取り消し<C>
startstop測定スタート/ストップ このボタンを押してから約3.5秒は再びこのボタンを操作することはできません。これは押し間違えによる搾乳の終了を防ぐためです。<S>

初期画面

ラクトコーダの電源ONはonoff キーを押しておこないます。

info NOTE onoff  キーを押しても電源が入らない場合は以下のことが考えられます。
極端な充電不足。 → 充電ユニットを約15分から30分間接続し、再度試みてください。(充電ユニットは操作前にはずしてください)
セーフティリレーが作動しています。 → 充電ユニットを一度接続し、再度試みてください。(充電ユニットは操作前にはずしてください。)

電源を入れるとサンプリングバルブのテストと内部装置の接続テスト(ファームウェアテスト)が実行されます。何らかの異常が確認された場合は、その内容をメッセージ表示します。テストが終了すると次のラクトコーダ情報が表示されます。

  • 日付
    • 時刻
    • バッテリーの有効時間
    • RAMのメモリー空き容量
display01
display02
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display04

操作データが保存されている場合は、その情報を表示します。表示される情報は次の情報です。

  • 農家名
  • 農家コード
  • 検定する搾乳:朝/晩
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enterキーを押してメインメニューに進みます。(押さない場合も数秒後に自動的にメインメニューに切り替わります。)

info NOTE ラクトコーダの電源を切ると、サンプリングバルブが開いた状態に切り替わります。

メインメニューは次の2つのメニューに分かれています。全ての機能は、これらのメニューの中から選択します。

menu_01
menu_02

サクニュウ(搾乳)

群データを利用しての計測をおこなう場合は、このメニューに進みます。

クリーニング(洗浄)

このモードに変更することで、サンプルバルブが洗浄可能な状態になります。

データ テンソウ(データ転送)

このメニューは以下の作業に利用します。

  • データパックに保存された操作データの読込
    • データパックに保管されたプログラムパラメータの読込
    • 測定データ、修正した操作データの保存

ジョウホウ(情報)

このメニューは群データの転送後に保存されている農家名や計測方法を表示して再確認するために利用します。

サービス

このメニューではサンプリングバルブやトランスポンダリーダーなどのテスト 日付、時刻、サンプル採取量や画面コントラストなどの調整などの設定を行う場合に使用します。

ミルキング グンデータ ナシ(群データなしの搾乳)

群データが読み込まれていない場合は、このメニューに進んで測定を開始します。

レンゾク ソクテイ(連続測定)

この特別な測定モードにはテレパックの接続が必要です。個体番号の入力はせずに自動識別された番号が取り込まれ、操作データの期待乳量などの情報と照らし合わされます。この測定方式は、山羊などの搾乳時間が短い家畜に対して有効です。

充電

ラクトコーダには、容量1500mAhのニッカド電池が内蔵されています。満充電状態で利用できる時間は14~16時間です。

充電モニタリング

電源を入れた場合や測定を開始する際に、現在のバッテリー残量が有効稼働時間で表示されます。この値は一般的な測定がおこなわれる場合の値で、ディスプレイのバックライト、サンプリングバルブ、ボトルIDリーダー、シグナルランプ、データ転送の頻度により多少異なる場合があります。

また、バッテリー残量が2時間以内になると、画面の右上かどに四角形が表示されます。さらにバッテリー残量が0時間になった場合は、搾乳終了ごとにバッテリー残量のメッセージが表示されます。画面右隅の四角形が2個になった場合は、これ以上測定を継続することが不可能であることを意味します。この状態で測定を実行した場合は、測定の途中で電源が切れる可能性があります。この場合、最後に計測したデータは失われます。以前に記録してある測定データは、約14日は保持されます。

info NOTE 長期間使用しない場合は、バッテリー残量を事前に確認してください。

充電の手順

charging

充電ユニットをラクトコーダのドッキングステーションに上の写真の要領で接続します。接続によりラクトコーダは自動的に充電プログラムを起動します。ラクトコーダの満充電に必要な時間は最大5時間です。

充電が終了するとシグナルランプが点滅し充電完了のメッセージが表示されます。充電ユニットは自動的にトリクル充電(バッテリーの自己放電を補うために絶えず微小な電流で行う充電)に切り替わります。充電ユニットを取り付けたままの状態で放置しても過充電になる恐れはありません。

attention 警告 ラクトコーダの充電中に搾乳プラントのミルクラインまたは洗浄ラインに接続してはいけません。充電ユニットの接続は、搾乳装置から切り離した状態でおこなってください。

満充電状態でのバッテリー残量は、少なくとも14時間以上あるはずです。もしもこの値が小さい場合は、充電テストを実行してください。

info NOTE 充電時の気温について: 充電ユニットの動作環境は10℃~30℃です。30℃をこえる気温環境で充電をおこなった場合は充電能力が低下します。40℃の場合での充電能力は通常60%程度です。

バッテリーを長持ちさせるために

バッテリーの寿命を長持ちさせる方法は、バッテリーを活性化するための完全放電をおこなうことです。特にバッテリー残量が50%以下の場合にこの作業をおこなうことが効果的です。

ラクトコーダには放電プログラムが内蔵されています。

この充電方式の要求は2週間ごとに自動的におこなわれます。この充電を開始すると、はじめにシグナルランプが点灯し、バッテリー放電がおこなわれます。放電が終了すると自動的に充電に切り替わります。この作業には最大で約12時間要します。

この充電方式は次の方法により手動でおこなうことも可能です。

charging02
  1. 充電ユニットをコンセントプラグに接続する。
  2. ボタンstartstop を押しながら充電ユニットをドッキングステーションに接続します。
  3. メンテナンス充電を実行するかどうかのメッセージが表示されます。startstopキーを押して実行します。enter キーを押すと通常の充電がスタートします。

使用環境

Ni-Cd電池の使用環境は通常0℃~50℃です。氷点下の使用環境においてはバッテリー残量が表示とは大きく異なり極端に短くなくことが考えられます。

バッテリーテスト

バッテリーテストはサービスメニューで実行する充電プログラムのひとつです。この充電方式には最大17時間要します。

手順は以下の通りです。

  1. サービスメニューのバッテリーテストを実行します。
  2. 現在のバッテリー容量が表示されます。enter キーを押して続けます。
  3. テストに必要な時間が計算されます。
  4. 充電ユニットをドッキングステーションに接続します。
  5. >満充電になるまで充電がおこなわれます。
  6. >次に放電が開始され、放電に必要な時間が記録されます。
  7. >再度、満充電になるまで充電がおこなわれます。

バッテリーの交換

info NOTE 充電テストを繰り返しおこなってもバッテリー残量が14時間に満たない場合は、バッテリーを交換する必要があります。交換作業はお買い上げの販売店にお問い合わせください。
changebattery
交換作業は必ずはメーカーに依頼してください。プログラムが消滅する可能性があります。

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